頸肩について 疾患編①
こんにちは、あおば整骨院です。
前回は腰のお話をさせていただきました。今回の「頸や肩について」は疾患編①、②、施術編の3つに分けてお話していこうと思います。
最近、リモートワークやテレワークで長時間パソコンやスマホを扱って猫背になってしまい頸や肩に負担をかける方が増えてきていますが、頸や肩に負担をかけ続けるとどういった症状が起こり得るのか、また、頸や肩にはどういった疾患があるのかを紹介していこうと思います。
頸や肩に起こる疾患には大きく分けて
・神経性の疾患
・筋肉性の疾患
の2つに分かれます。
まずは、神経性の疾患からみていきましょう。
頸の神経性の疾患には「上肢(肩から手)に放散する痺れや痛みがある」という特徴があります。では、「上肢に放散する痺れや痛み」を出す疾患とはどんな疾患があるかを紹介していきます。
・頸部の神経系疾患:①中枢性 ~ 例:頚髄症 ②根性 ~ 例:頚椎ヘルニア
・③胸郭出口症候群
・④末梢神経の絞扼障害:正中神経 橈骨神経 尺骨神経 等
といった疾患があり、症状や反射、徒手検査で上記の疾患を鑑別していきます。今回は上記の①~③の症状・反射・徒手検査法を順にお話していこうと思います。
では、早速①の中枢性疾患の症状からみていきます。
中枢性疾患とは脳・脊髄に損傷がある疾患で頸部では頚髄症が中枢性の疾患となります。
その主な症状は、
・両側にも片側にも痺れや痛みが現れる
・損傷部分よりも下全体(全身)にも痛みや痺れが現れる
・歩行障害
・手指の運動障害
があります。
次は②の根性疾患の症状をみていきます。
根性疾患には頚椎ヘルニアがありますが、ヘルニアにも外側型と後方型があり、外側型は根性疾患に属し後方型は中枢疾患に分類され、症状も外側型は後方型と違ってきます。その根性疾患の症状とは、
・片側に痛みや痺れが現れる
・デルマトーム(神経の支配領域)に一致した部分に症状が現れる
です。
最後に③の胸郭出口症候群の症状をみていきましょう。
胸郭出口症候群とは神経性の疾患ではなく、猫背やなで肩の方に多い血流性の疾患ですが上肢に症状があり神経性疾患と鑑別しなければならない疾患です。その症状とは、
・片側に痛みや痺れが現れる
・上肢全体に症状が現れる
です。①~③の症状をみてきて上肢に痺れや痛みを出す疾患の中にもそれぞれ特徴があり、鑑別するうえで重要になってきます。
次の鑑別方法として反射をみていきます。反射とは、筋肉の腱を打腱器でたたき筋肉を意図的に収縮させることで神経が正常に伝わっているかをみるものです。
頚髄症など中枢性疾患では反射が亢進し、
頚椎外側ヘルニアなどの根性疾患では反射が低下します。
胸郭出口症候群は血流性の疾患のため変化はありません。
反射は健康な人でも出る人と、出ない人がいるため定期的に診ておく必要がありますが、神経性疾患をみるうえで反射は大事な鑑別方法となります。
最後に徒手検査から各疾患を鑑別していきます。当院では、
・ジャクソンテスト:上を見上げた姿勢から、おでこを手で押さえ垂直方向に力をかけるテスト
・スパーリングテスト:首を左右どちらかに傾け、少し反らした姿勢で頭から垂直方向に力をかけるテスト
・ルーステスト:肩関節と肘関節を90度に挙げて胸を張った姿勢をつくるテスト
の3つのテストを行い、痺れの出る範囲をみていきます。
根性疾患の場合、ジャクソンテストとスパーリングテストを行った際、デルマトーム(神経の支配領域)に痺れがでてきます。
また、胸郭出口症候群の場合、ルーステストを行った際、上肢全体に痺れがでてきます。
この違いは疾患を鑑別するうえで重要な指標となりますね。
症状・反射・徒手検査法と長くなりましたが、以上が「上肢に放散する痺れや痛みがある」疾患編①になります。
ここまで読んで頂いた方の中に少しでも当てはまった症状がある方や、現在痛みや痺れなどでお困りの方、当院へご相談ください。
次回の「頸や肩について」では疾患編②として末梢神経の絞扼障害の紹介からしていこうと思いますのでお楽しみに。
蕨院:蕨市中央3-2-7